☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】
「あいつがどうかしたのか?」
翡翠はわたしの視線に気がつき、そう聞いてきた。
あの人は…………
「熊谷………」
福岡にいるんじゃないの………?
名前を呼んだのが聞こえたのか、熊谷はこっちを見た。
わたしに気がつき、目を見開く熊谷。
「ユリ………?」
「どうしたの?
あの娘と知り合い?」
「はい。
お嬢様、さきに戻ってて下さい。
あの娘と話があるので」
「私はもう、用はないし。
わかったわ、先に戻ってる」
そう言ってユカさんは立ち去った。
ユカさんを見送ってから、熊谷はこっちに近寄ってきた。
「な、なんでここにいるの?」
わたしは翡翠の後ろに隠れて聞いた。
熊谷はわたしが闇の世界に入った時、最初に会った人で、いろいろ教えてくれた。
それに…………