☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】
熊谷は腰を屈めてわたしの目線に合わせ言った。
そして、翡翠に隠れているわたしに手を伸ばしてきた。
その手をわたしは叩いて払った。
「そんなことしなくてもいいじゃねぇか。
俺とユリの仲だろ?
それとも…………」
払ったわたしの手首を掴み言った。
この目は………あの時の目だ……怖い………
「思い出したか?
俺とヤった時の事」
怖くて言葉が出ずに首を横に振ることしか出来ない。
わたしと熊谷は身体の関係を持っていた。
翡翠とは違う、全く愛のない行為だったけど。
普段は優しい熊谷だけどその時だけ乱暴になる。
無理矢理させられたことが何回もあった。
今、わたしを見る目はその時の目だ。
「お前………ふざけんな………」
「その顔、懐かしいな」
熊谷は翡翠を無視して続けた。
わたしの手首を握る力も少しずつ強くなる。
手首が痛い………
その手首の痛さが昔を思い出さそようとする。