☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】
「やめろ!」
翡翠が熊谷の腕を掴み、止めようとしてくれた。
だけど、熊谷は全く怯まず力はどんどん強くなる。
「は、離して…………」
やっと出た声は弱々しくて、覇気もない。
「はははっ
もっと嫌がれ、もっと泣けよ………ユリ……壊れろ………」
耳元で言われ…………わたしは、昔のことを脳裏に浮かべてしまった。
「いやああああ!」
「珠莉!」
その場に崩れ落ちるわたしを翡翠は抱きしめてくれた。
そのあとのことは覚えていない。
*翡翠side*
「てめぇ………何をした………?」
こいつ………熊谷が珠莉に何かを言った瞬間、珠莉は叫んで崩れ落ちた。
「ちょっと昔を思い出させただけさ。
俺とユリのことを。
さっきから話を聞いてたんだから、どんなことか何となくわかるだろ?」
こいつ………珠莉と………
今にも腸(はらわた)が煮え繰り返りそうだ。