☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】
一生来んな。
そう思うけど、あいつは絶対来る。
それよりも今は珠莉だ。
珠莉は未だにボーッとしていて………壊れた人形みたいだった。
「珠莉………」
呼んでも反応がない。
両手で顔を挟み、視線を合わせた。
珠莉の瞳は光を無くしていた。
こんな事になるなら、連れて来なければよかった。
親父に連絡をし帰る事を伝え、俺は珠莉を横に抱き抱え、車に乗り込んだ。
「翡翠!どうした?
いきなり帰るって…………珠莉ちゃん?」
運転手に車を出してもらおうとした時、親父がきて珠莉の異変に気がついた。
「どうしたんだ?」
「昔の事を思い出して、精神的にダメージ受けてる」
親父にはそう言ったけど、多分それだけじゃない。
「わかった。
こっちは任せとけ」
「頼む」