☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】
運転手に実家まで向かってもらった。
本当はマンションがいいけど、実家の方が近い。
聖真のことがあって、珠莉はずっと泣いていた。
珠莉を休ませるために実家にきたのに………これじゃあ逆効果だ。
熊谷だけじゃない………由香も………
何なんだよ…………
「着きましたよ」
「ありがとう」
それから、家の中に入り自分の部屋に向かった。
ベッドの上に胡座で座りその上に珠莉を乗せ、抱きしめた。
「珠莉…………」
名前を呼ぶとピクリと反応をした。
「珠莉?」
体を離して顔を見ると、ゆっくりと俺と目を合わせた。
少しだけど瞳に光が戻った。
「ひ、すい………?」
「珠莉………」
瞳にまだ涙を浮かべている珠莉の顔に手を伸ばした。
だけど………
パシン―――
伸ばした手は珠莉の小さな手によって払われた。