☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】
乾いた音が部屋に響く。
珠莉に拒否され、漠然としていると珠莉は俺から離れ、ベッドの脇に小さく蹲(うずくま)った。
俺もベッドの脇に降りて珠莉の傍に寄る。
手を伸ばそうとしたけど、拒否されたを思い出して伸ばした手を引っ込めた。
「翡翠……わ、わたし………ごめん…なさい……」
ブルブルと小刻みに震えながら、珠莉は言った。
「男が………怖いか?」
俺の予想で聞いてみると、案の定、珠莉は縦に頷いた。
昔、あいつに何されたんだ?
こんなになるまで…………
「珠莉、こっちを見ろ」
珠莉はゆっくりと顔を上げこっちを見た。
その顔は涙でぐちゃぐちゃになっていて、胸が痛む。
「俺はあいつじゃない。
それは、わかるな?」
「…………ん」
それならいい。
今はとにかく珠莉を休ませよう。
「お袋、呼んでくる」
珠莉を部屋に一人にするのは心配だけど………男の俺では駄目だ。
女がいい。
お袋のことだから多分帰って来てるはず。
珠莉………
守れなくてごめん………
悔しさと怒りを抑え、お袋の元へ急いだ。