☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】
やっと……………翡翠に触れられた………
ずっとこうしたかった………
翡翠……………翡翠…………
翡翠の温もり。
翡翠の匂い。
こんなにも近くで感じられる。
それが何よりうれしかった。
「珠莉、ちょっと離れていいか?」
わたしは少しも離れたくなくて、ぎゅうっと翡翠を抱きしめた。
駄々をこねる子どもみたいだけど、構わない。
「わかった」
すると翡翠はわたしの両膝の裏に腕を回してそのまま立ち上がりながら軽々と持ち上げた。
「由香………お前どういうつもりだ?
珠莉を連れていこうとして………」
「それは…………」
「それは?」
翡翠の声は低く怒っていることも明らか。
そのせいかユカさんは何も答えなかった。