☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】
翡翠らしくないすっとんきょうな声。
「んなことするわけねぇだろ」
じゃああれは…………わたしの見間違い?
「よかった………」
心からの安堵の一言。
だけど翡翠はいまだに険しい顔のままだった。
「由香………今日はいい………
けど、今度珠莉に何かしようとしたら許さねぇから」
"さっさと帰れ"とユカさんに言い放ち翡翠は会社へと向かった。
チラッと翡翠の肩越しに後ろを見ると熊谷がこっちを見ていた。
何か言いたそうな顔………
あんな熊谷の顔……見たことない。
熊谷はわたしに見られていることに気がつき、ユカさんが乗った車に慌ただしく乗り込んだ。
どうしたんだろう………
わたしに深い傷を負わしたのは熊谷だ。
だけど…………熊谷に助けられたことも事実。
「珠莉、どうした?」
「なんでもないよ………」