☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】



珠莉は体を離し俺を見た。


その身体は怖がっているようには見えない。





「翡翠…………うぅっ」



珠莉は首筋に顔を埋め泣いた。



「そうか……」




俺はそう言って珠莉を抱きしめた。





やっと……………珠莉に触れられた………



珠莉…………




珠莉の匂い。



久しぶりだな………やっぱりこの匂いが一番いい。






「珠莉、ちょっと離れていいか?」



まだあいつらに話が残ってるのに………





離れようと聞いて見たけど、珠莉は離れたくないらしくぎゅっと俺にしがみついた。





くそっ……お前ってやつは…………



「わかった」




俺は珠莉を横抱きに抱いて立ち上がり、由香に聞いた。




「由香………お前どういうつもりだ?
珠莉を連れていこうとして………」



「それは…………」



「それは?」




由香を睨みながら言うと怖じ気づき、口籠もった。












< 227 / 487 >

この作品をシェア

pagetop