☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】
珠莉は体を離し俺を見た。
その身体は怖がっているようには見えない。
「翡翠…………うぅっ」
珠莉は首筋に顔を埋め泣いた。
「そうか……」
俺はそう言って珠莉を抱きしめた。
やっと……………珠莉に触れられた………
珠莉…………
珠莉の匂い。
久しぶりだな………やっぱりこの匂いが一番いい。
「珠莉、ちょっと離れていいか?」
まだあいつらに話が残ってるのに………
離れようと聞いて見たけど、珠莉は離れたくないらしくぎゅっと俺にしがみついた。
くそっ……お前ってやつは…………
「わかった」
俺は珠莉を横抱きに抱いて立ち上がり、由香に聞いた。
「由香………お前どういうつもりだ?
珠莉を連れていこうとして………」
「それは…………」
「それは?」
由香を睨みながら言うと怖じ気づき、口籠もった。