☆続☆恋する＊spring〜春をうられたわたし〜 【完結】

「俺も、辛かったのは一緒だ。
珠莉を怯えさせるくらいなら、傍にいない方がいいんじゃないか……って何度も考えた」




俺が言うと珠莉は瞳を見開き、途切れ途切れに言った。




「そ、そんな……の……いやぁ……」



「俺もだ。珠莉から離れることは無理だ。一緒にがんばろうと思ったのに……だけど、お前は………」




また怒りが沸き上がってきた。


冷静にならないといけないのに。




「ご、ごめん……なさい」



珠莉は何度目かの謝罪をした。

本当にわかってんのか？




「わ、たし……気がついた……」



謝罪のあと、珠莉は続けて言った。




「熊谷に捕まえられて………思ったの……わたし、い…つも、何も出来ない……。
ひ、すいに…助けてもらってばっかりだって………今も、現実から……嫌なことから……逃げてる、だけだって………」