☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】
「いた!翡翠!!
もうっ……どこに行ってたの?
携帯に掛けても出ないし、珠莉ちゃんもいなくなるし………」
社長室には明らかに慌てた様子のお袋がいた。
そして、俺が抱き抱えている珠莉を見て目を見開いた。
「珠莉ちゃん!?なんで!?」
おい……うるせぇよ。
珠莉が起きちまう。
「静かにしろよ。今寝たばっかりなんだから」
「あっごめん……。
もう、大丈夫なの?」
落ち着いた声で、お袋は言った。
大丈夫、というのは多分、珠莉の男性恐怖症の事だろう。
今朝まで怖がっていた珠莉が、俺に抱き抱えられているから。
「ああ、大丈夫だ」
「そっか………何があったのかは分からないけど、よかったわ」