☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】
「それから何ヶ月か経った時、わたしはまた売られたの。
それから、熊谷とは会ってなかったのに………」
また再会してしまった。
「そうか………」
少しの間沈黙が流れて、翡翠が言った。
そして、優しく後ろから抱きしめてくれた。
久しぶりの翡翠からの抱擁。
うれしい………
「もっと早く………珠莉と出会えてたらよかった。
そしたら、お前がこんなに傷つくこともなかったんだよな」
翡翠………
違うよ…………
「でも、翡翠………熊谷に会ったから、今のわたしがいるんだと思う。
もし、熊谷と会ってなかったら………こんなことになってなかったら、多分………翡翠と出会えてなかったと思う。
出会えてたとしても、きっと………翡翠とこんなふうに一緒にいることなんてなかったよ………」