☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】
もうそんな時間なの?!
「あ……わた………帰…っ!」
わたしはベッドから下りて立ち上がった。
帰らなきゃ!!
―――――帰るってどこに?
駆け寄ってきた考えを振り払う。
きっと……心配してる!
―――――誰が心配してるの?
翡翠が…………
―――――ほんとに心配されてる?
わたしはいつの間にか、上げた腰を今度は床に下ろしていた。
「どうしたの?大丈夫?」
女の人は床に座り込んだわたしに近寄って、静かに優しく声をかけてくれた。
「あの………わたし………」
それだけ言うと、女の人は穏やかに微笑んだ。
「家に帰りにくいの?」
本音を言われて驚いたけど、わたしは小さく頷いた。