☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】
おお、すごい!
一瞬で謎が解けた。
というか、この人………翡翠のこと知ってるんだ。
「翡翠のこと知ってるんですか?」
「そりゃあ、知ってるわよ。
黒崎ホールディングズって有名だし、わたしの親戚にそういうことに詳しい人もいるしね」
女の人は、野菜を洗いながら話した。
わたしも手伝います、というと、じゃあ皮剥いて、とピーラーと野菜を渡された。
やっぱり翡翠の会社って有名なんだ。
「珠莉ちゃんって、黒崎翡翠と住んでるの?」
やっぱり聞かれたかぁ、と皮を剥きながら思った。
「そうです。
わたし………両親を亡くしてて……施設で暮らしてたんですけど………今は翡翠と暮らしてます」
「そうだったんだ………」
女の人の声のトーンが低くなった。
「ところで、お名前なんですか?」