☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】
何があったのかは知らない。
当時もう結婚していた妹も知っているけど、話そうとはしない。
みんな思い出したくないことなんだろう。
おっと、通り過ぎた。
目的の部屋を通り過ぎてしまった。
考え事はいけないいけない。
――――コンコン
「はい」
引き戻し、扉をノックすると、中から男の人の返事が返ってきた。
わたしは扉を開け中に入った。
「ああ、義姉さんか」
と言ったのは、わたしの妹の旦那さんの三津木結治-ミツキユウジ-。
パソコンをしていた。
「ああ、ってなによ。ああって。
それより、綾子は?」
綾子-アヤコ-とは、わたしの妹の名前だ。
部屋を見渡してもいない。
「隣にいる」
この部屋の隣には、書物がたくさん置いている部屋がある。
本が好きな綾子は、よくそこに行っているらしい。