☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】
言われた通り、隣の部屋に行ってみると、綾子は本を読んでいた。
「綾子」
「あ、姉さん。
どうしたの?」
声を掛けると、不思議そうな声が返ってきた。
「どうしたの?、じゃないわよ!
あんたがこれ、すぐに持って来いって言ったんでしょ?!」
と、持ってきた書類を渡した。
妹がわたしの家に来たとき、忘れていった書類だ。
「あぁ、これ……もう必要なかったみたい」
舌を出して照れる妹。
そんなことしても可愛くないわよ。
「せっかく持ってきたのに。
こんなことなら珠莉ちゃんともっと一緒にいるべきだった…………」
「珠莉ちゃんって誰?」
「昨日道に倒れてた女の子。すごくかわいい子よ。
聞いて!驚いたのが……………」
と、その時、ある物が目に入ってわたしはそれにくぎ付けになり、止まっていた。