☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】
なんなの?!
「離して!!」
また振り払おうと試みるけど、やっぱりダメだった。
「………ユリ」
わたしとは対称的に冷静な熊谷の声が耳に入ってくる。
「何よ?!」
わたしは熊谷を睨むように見た。
「お前が俺を嫌う理由も分かる。
……………だけど……そんな明白(あからさま)に態度に出すな………」
は………?
意味がわからない…………
と、思った時だった。
え……………
熊谷が辛そうな悲しそうな顔をした。
この表情………前………わたしが連れ去られそうになったときに見た顔。
なんで………そんな顔するの?
部屋に沈黙が流れる。
熊谷はずっとわたしを見つめている。
「………〜〜〜そんなこと………無理に決まってるでしょ!!」
わたしは熊谷の視線に堪えられなくてそう叫んでいた。