☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】
わたしはいらいらしながら熊谷に言った。
「今さらだな。
さっきからここにいただろ」
「今気がついたの!
いいから出ていって!」
わたしが叫ぶけど、熊谷はお構い無しに平然と座って立とうともしない。
それどころか冷静にわたしに聞いてきた。
「ユリ………病院で何て言われた?」
「…………そんなこと………熊谷に関係ないでしょ」
わたしは熊谷から体を背け、部屋から出て行こうと扉へ向かった。
熊谷が出て行かないなら、わたしが出て行く。
ドアノブに手をかけた時、熊谷が言った。
「妊娠……だったか?」
わたしは熊谷の方を振り向いた。
「図星だな」
「な、なんで…………?」
熊谷は、こっちに近づいてきた。