☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】
「お前を見ればだいたい分かる。
食欲不振に吐き気、倦怠感。
ご飯の匂いだけであんなになるのはつわりだろ?」
じゃあ、昨日言いかけたのはそのこと…………?
「なんで言ってくれなかったの?!」
昨日言ってくれれば、こんなふうに不安に襲われること、なかったかもしれないのに。
「俺は医者じゃない。
間違ってたかもしれないだろ」
そうだけど…………
「…………もう、お願い………出て行って…………」
これ以上話してもいらいらするだけだ。
「断る」
どんどん近づいてくる熊谷。
わたしは離れようと壁に沿って逃げる。
「なんで?!出て行ってよ!!
お願いだから…………一人にして!!」
「それは、出来ない」
一向に部屋から出て行くことを認めない熊谷。
「どうしてよ?!」
わたしは逃げ場がないところまで追い詰められた。