☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】
「……くまがぃ………クッキー………」
ユリは俺が持って来たクッキーを求めた。
「………はい」
入れ物から出し、ユリに渡す。
ユリはそれを受け取り、口に含んだ。
今のユリの食べ物はそれだけだ。
俺が悪阻の時に食べられる物を調べて、シェフに作ってもらったもの。
少しは役に立ってるか………?
あいつならもっといい方法を知ってるかもしれない。
ユリが安心出来る方法を。
そんなふうに思う度に、俺は役不足って感じる。
だけど、ユリを助けたい。
俺は今もまだ……………ユリのことが好きだ。
だからこそユリを助けたい。
今はもう、昔の俺じゃない。
昔の俺とも………あいつとも………違う方法でユリを助ける。
「ありがと…………」
ユリはまた眠った。