☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】
恐る恐る電話の相手に声を掛けてみる。
『珠莉か?』
電話から聞こえてくるのは、大好きな甘い声。
それを聞いただけで視界がぼやける。
「ひ、すぃ…………」
『珠莉………大丈夫か?』
わたしを心配してくれる翡翠。
翡翠………
「だい……じょう、ぶ…………」
『なら、いい』
翡翠……会いたい………
会いたい………
でも…言えない。
言ったら………自分に負けてしまいそうだから………
少しだけ泣いて、その気持ちを抑えた。
そして、翡翠に伝えたいことを言う。
「あ、のね…………翡翠に話さないと……いけないことあるの」
『なんだ?』
「今は………言えない。
直接話さないといけないと思うから………」
妊娠はそれくらい大事なこと。
「聞いても………離れていかないで…………」