☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】
「今朝のことは忘れろって言っただろ」
熊谷が歩きながら言った。
「そうだけど………
衝撃過ぎて忘れられない」
「忘れられないか?」
「うん……」
「今日もずっと考えていたのか?」
「うん……」
「そうか………」
俯いて歩いていたわたしは、外に出たことに気がつくのが遅れた。
もうすでに車が目の前にあった。
熊谷がドアを開けてくれて、車に乗り込む。
熊谷も運転席に乗った。
「このまま連れ去っていいか?」
「え…………?」
熊谷の言った言葉に驚くと、熊谷がフッと鼻で笑った。
「冗談だ。
そんなに驚くな」
熊谷が言うとなぜか冗談に受け取れられない。
「今日、ずっと考えていたんだろ?
俺はそれだけで十分だ」