☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】
熊谷はエンジンをかけながら、そう言った。
「お前が、俺のこと嫌いなのはわかってる。
だから……俺のことを少しでも考えてくれたならそれだけでいい」
「くまが…「行くぞ」」
わたしが言おうとすると、また熊谷は遮り、車を発車させた。
まるで、わたしの話は聞きたくないとでも言うように。
車の中はとても静か。
二人とも何も話さない。
き、気まずい…………
堪えられなくて、窓の外を見ると、周りは暗くて何も見えない。
もしかして………山?
こんなところにいたの?
行くときには周りの事とか気にしてなかった。
誰のところに連れていかれるのか、考えるのに必死で。
外をまた見るとさっきと違い、少しずつ明かりが見え出した。