☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】
「ユリ」
何も喋らなかった熊谷が、いきなりわたしの名前を呼んだ。
「なに?」
「降りろ」
「着いたの?」
「まだだ。
いいから、早く降りろ」
そう言えば車停まってる。
わたしは言われるがまま、車から降りた。
ここ………どこ?
降りた場所は何処にでもあるような屋内駐車場だった。
でも、全く見覚えのない場所。
「こっちだ」
今度は手を引かれ、どこかに連れていかれる。
「どこに行くの?」
「あれに乗るんだ」
熊谷が歩きながら指した物は駐車場に停車している別の車だった。
なんでわざわざ乗り換えるの?
「跡付けられてんだよ。
それに、あれにはGPSもつけられてる。
だから乗り換える」