☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】



「なんでわたしが怒られなきゃいけないの?
怒りたいのはこっちなんですけど。
珠莉ちゃんを勝手に連れ去って」




理由を知らない理恵さんは、熊谷に文句をこぼす。




「理恵さん、ごめんなさい。
熊谷はただ、わたしの体を心配して言っただけなの」



わたしが言うと、理恵さんはさらに不機嫌そうな顔になった。



「なんで珠莉ちゃんがこいつを庇うの?
なんでこいつが珠莉ちゃんの体を心配するのよ」




あぁ………なんかややこしくなる。




「それは……その………あの………えっと………」




恥ずかしくて口に出せない。
ただ、一言言うだけなのに。




「まさか………珠莉ちゃん………こいつと………」



「違う。妊娠してるんだ」


熊谷は、"さっさと言えよ"と、わたしに愚痴をこぼした。


だってやっぱり恥ずかしいんだもん。












< 344 / 487 >

この作品をシェア

pagetop