☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】
最悪……………
一番見られたくない人に、見られてしまった。
わたしはトイレから逃げようと、走り出した。
けど…………
「待て」
それは翡翠によって阻止された。
「逃げるな」
「いや!離して!」
こんなわたし………嫌。
翡翠に見られたくない。
「無理だ。理由を話せ。
体調悪いのか?」
翡翠の手を振り払おうとしながらわたしは横に振った。
体調が悪いと言えばそうだけど…………ほんとの理由はそれじゃない。
翡翠の手はしっかりわたしを掴んでいて離さない。
「じゃあ……どうした?」
優しく聞いてくる翡翠。
だけどわたしはただ頭を横に振るだけ。
「珠莉…………」
翡翠に言うのが怖い…………