☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】

会わせたい人と翡翠の決断




「誰を会わせたいの?」




わたしが聞くと、翡翠はフッと笑った。



「こっちだ」




翡翠はわたしの手を握りしめ、どこかに向かって歩き始めた。




「お前は、輝秋のところに行っとけ。駐車場にいるから」



「はい」



一旦足を止めついて来ていた熊谷にそう告げ、また歩き出した。




「珠莉……さっきなんであいつと手を繋いでた?」




少し歩いたところで翡翠が聞いてきた。



「あれは、気分が悪かったからお手洗いまで連れていってもらおうかと思って」


「じゃあ、あの時どうして逃げようとした?」



「あの時?」



「トイレに行って俺と目が合ったら逃げようとしただろ?」



「ああ、あの時は…………翡翠に見られたのが嫌だったから………」



「どうして?」




さっきから質問攻め。

先を歩いている翡翠の顔が見えないから、怒ってるのかと思ってしまう。











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