☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】
こっちの方が一番気になってることだ。
翡翠は手をキュッと握りしめて、"話せ"と合図をしてきた。
「あの、ね……わたしの男性恐怖症が治ってから………翡翠、何もしてこなかったよね?なんで?」
わたしが言うと、翡翠は立ち止まり、こっちを振り向いた。
驚いたような、困ったような顔をして。
「気付いていたのか?」
「うん………」
さすがに気付くよ。
いつも抱きついてくるのにそんなことしなかったし、キスも軽いものだけ、キスの先なんて……………
「わたしに触るの………いや?」
「そんなことねぇよ」
「じゃあどうして?」
すると、翡翠は黙り込んだ。
やっぱりいやなんだ…………
「おい、珠莉。勘違いするな」