☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】
「珠莉……」
「珠莉ちゃん………」
翡翠や結治さん達が口々にわたしの名前を言った。
「わたしが………お母さんをここから連れて行ったの!」
結治さん達を見ることが出来なくて、わたしは俯いた。
目頭が一気に熱くなる。
お母さん………ごめんなさい。
わたしがお母さんから大切な人達を引き離してしまった。
「わたしが………お母さんを……………殺したんだ…………」
"お父さんも……………"と、言おうとした時、ソファーが少し揺れて、パチンッと両方の頬を誰かの手で挟まれた。
微かに痛みを感じながら、わたしはその手によって、顔を上げられた。
「翡翠…………」
その手は横に座っていた翡翠のものだった。
翡翠の体はわたしの方に向けていた。