☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】
*翡翠side*
「珠莉…」
「そんな心配しなくても大丈夫よ」
俺が珠莉が入って行った分娩室を、見詰めていると、お袋がそう言った。
経験者のお袋が言うんだから、そうなのかもしれないけど………やはり、心配なものは心配だ。
だって……、今は18時。
珠莉が分娩室に向かってから、もう5時間だ。
心配しない方がおかしいだろ。
「翡翠、初産は時間がかかるの。
少し落ち着いたら?」
「うっせぇ……」
落ち着けるわけがない。
「翡翠くん、少し外行こう」
そう言って、声を掛けてきたのは………今までずっと、珠莉との結婚を認めてくれなかった結治さんだった。
これは、断るわけにはいかない。
「はい」
俺は結治さんに着いて行った。
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