☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】



外に出ると、夕暮れの空が怖いくらいに綺麗だった。



「翡翠くん……、今まで悪かった……」



外へ出るなり、三津木社長が頭を下げた。



何のことか、そんなのは聞かなくてもわかる。




きっと、結婚のことだ。





「最初は……やっぱり、姉が帰ってきたみたいで……嬉しかったんだ。
なのに……男といるし妊娠はしてるし………姉の時と一緒じゃないかって。
もし、このまま結婚を許してしまったら、また………大切なものを失うかもしれない………そう、思った」





三津木社長の本音。



やっと聞けた。




許してもらったあとも、何も話してはくれなかったから。





「でも、それはただの言い訳だ。
僕はただ、珠莉ちゃんとの今までの時間を埋めたかっただけ…………姉に似たあの子を手放したくなかっただけだ」



三津木社長は、静かに語った。











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