☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】
「ただの僕のわがままだ」
そんなことを悲しい顔で言う三津木社長。
彼は何も悪くないのに。
なぜ…………
「三津木社長は、何も悪くありません。
大切な姪っ子を手放したくない気持ちを持たれるのは、当たり前です」
特に珠莉は、三津木社長からすれば姉の形見みたいな存在だ。
手放したくもなくなる。
「あなたから珠莉を奪ってしまい、すみません」
俺は三津木社長に頭を下げた。
「いやいや、気にしないでくれ。
僕は君に感謝しているんだ」
三津木社長が………?
俺に?
「君が珠莉ちゃんと出会ってなかったら、きっと僕らも、一生珠莉ちゃんと会えていなかった。
何より、君は珠莉ちゃんを助けてくれた。
ありがとう」
今度はお礼をされた。
褒められるような出会いじゃないから、気まずい。
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