☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】



でも、人のことだ。
誰にでも触れられたくない過去はある。




わたしにも昔の事は話したくないもん。






「珠莉?
ただいま」



後ろから抱きしめられてふわっと香るベリーの匂い。


「翡翠!お帰りなさい!」


わたしが上を向くと、翡翠もわたしを覗き込んで見ていて視線が合い、チュっとおでこにキスをされた。




いつも玄関まで迎えに行くのに……………考え事してて、気がつかなかった。




「ごめんね、気がつかなくて」



「いいよ。
それより、今日コーヒー飲んだのか?」



「どうして?」



飲んでないよ?




「珠莉からコーヒーの匂いがする」



その言葉にドキリとする。


カフェにいたから匂いが染み付いたんだ。




な、なんて言おう………




「ち、ちょっとコーヒー飲めるのか試してみたくて………」













< 47 / 487 >

この作品をシェア

pagetop