☆続☆恋する*spring〜春をうられたわたし〜 【完結】
もう、この人、どんだけ引っ張ってたのよ。
「いてぇ……」
頭を押さえて痛そうな顔をした男の人。
わたしは男の人の上に倒れたからそこまで痛くはなかった。
「珠莉?」
起き上がって声がした方を見ると、天の助け!
翡翠!
「きゃっ!」
立ち上がって翡翠のところまで行こうとすると、またしても腕を掴まれた。
「待ちなさい。
どこに行こうとしてるんだ」
腕を掴んだのはいつの間にか立ち上がっていた男の人だった。
「おい……」
「あ、社長。
いいところに………」
「そいつを離せ……」
すごい剣幕でこっちを睨んだ翡翠。
「え………?」
男の人はすごく戸惑い中。
それもそうだろう。
意味も分からず会社のトップの人に睨まれてるんだから。