after a dream
従姉弟とは、こんなに思うがままに言い合えるものなのだろうか。
やっぱり従姉弟よりは姉弟みたいだと思って様子を伺っていたら、
「はぁ〜〜」
旭日先生に言葉を詰まらせたはるが、
ため息と一緒に大きく声も漏らして、頭もぐしゃっとさせながら、その場に座り込んだ。
「え、はる?」
「深詞が他の誰かとだって気が狂いそうなのに、相手が霞とか、ありえなさすぎ。
止められただろ、これ。どう考えたって」
追いかけるようにしゃがみ込んで、はるの顔を覗くけど、その頭は沈んだまま。
頭に触れてみると、どこか不服そうに顔をあげる、はる。
「…キス以上は?」
強気なはるの、不安気な瞳。
私の反応を一つも見落とさないかのように、慎重にみつめられている。
同時に頬へと伸びてきた大きな手。
頬に触れてはじめて、その手が小さく震えていることに気付いた。
それでもやさしく、頬をなでて、顎へと降りてきた親指が、恐る恐る、唇にふれた。
ふれるまえに、私が嫌がったりしないかどうか、探しにきたはるの透き通った瞳に、泣く資格なんてないのに、泣きそうになってしまう。