after a dream



私達をみながら、口に手を当てて呟いた旭日先生。

霞先生から向けられた視線に気づいて、
"あ、よく考えたらそうだよねごめん" と、
小さく手を合わしてる。


「…いや、俺も、心陽と日向がキスしてると勘違いしたしな。あまりにも距離が近かったから」


霞先生は、見上げてくる旭日先生の心を読み取ったように、ふっと笑って頭を撫でると、

柔らかそうなふわっふわな、その髪まで撫で下ろして、耳にかけた。


「…キスは、してないよ?
はるくんにそんな感情気持ち悪いし」

「…知ってるよ」


比例するように赤身を帯びていく旭日先生の耳や頬。

その姿に、空いてしまっていた隙間を、代わりの人で埋められるはずなんて、なかったんだと思い知る。


…いくら、あの日からつい数分前まで、私と霞先生が同じ気持ちでいたとしても。


ーイチバン大事なものが、足りないから。

形だけ真似てみたって、かすりもしないんだと。



「…おいこら。こっちだって気持ちわりーわ。母さんとほぼ同じ顔をした心陽に、家族以外の感情うまれるとか理解不能だし」


旭日先生の言葉がしゃくに触ったはる。

2人がみえるようにと、私の肩から頭を持ち上げて、少し体をずらしてから隣に腰を落ち着かせた。かと思えば、引き寄せられて。


はるが言葉を発する頃には、私の背中をすっぽりはるが覆っていた。


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