after a dream
背後に感じるはるの厚みと、頭に感じるはるの重み。
前にまわされた腕に、私ははるのものだと、公言されてるみたいだ。
「そんなことしなくたって、はるくんが深詞ちゃんを好きなのは、じゅーうぶん、わかってるからね?」
そんな私達をみて、また困ったように苦笑する霞先生と、顔が緩む旭日先生。
「とーぜんだろ。だから霞、深詞にもう触れんなよ」
霞先生の表情になにかを感じたのか、わざとらしく私をギュッとするはるに、霞先生は笑みをこぼした。
…今度は、雑念のない素直な表情で。
スマートに旭日先生の腰を引きよせると、驚いて自分の方を向いたそのおでこに、霞先生自身のそれを添えるように重ねて。
「あぁ、約束するよ」
…一言、そういった。
その意図に、私も、はるも、
顔を真っ赤にして泣きそうな、旭日先生も。
みんなきっと、気づいてる。
…もう十分に、知ることができたんだ。
旭日先生が、霞先生を大切に想ってること。
はるが、私を大切に想ってくれてること。
両方とも、十分すぎるほどに。
…だからこそ、私は頭を捻らせる。
「…ねぇ、はる」
答えはやっぱり、はるか旭日先生しかしらないんだけど。