after a dream
重なった手を、慣れたように引かれて、抱き締められる度に、かき消したくなる苦味。
ただ、あまさだけで満たしてほしくて、
同級生の背中よりも厚くて、壊れそうな先生の背中に、腕をまわした。
ぎゅっとすると、私達2人の、隙間が0になる。
そう、思い込みたいの。
「…そっちの方が、いいね」
首筋に降りかかる先生の湿っぽい吐息。
堪らずその頬に触れて目が合えば、
…想像通り、雨模様。
梅雨はまだ先なのに、私達はもうずっと、傘を手放せないでいる。