after a dream
リボンが解けて、
箱をパカッと開けた先のもの。
…信じられなくて、はるをみた。
「…あげていーかわかんねーし、どのデザインがいーかもわかんなかったから、心陽に聞いてたんだよ」
つい数分前までの私は、どうしたらはるを繋ぎ止めておけるかに必死で。
…ううん。きっと、そのことがなくても。
「…私が、もらっていいの?」
はるから、これをもらえる日がくるなんて、考えてもいなかった。
「深詞の他にもらってほしいやつなんていねーよ」
間抜けなことをいう私に、はるはどこか恥ずかしそうに笑って、やさしく頭に手をおいた。
その掌から勇気をもらったように、私の中にあるそれをみる。
ーシンプルなシルバーのリング。
飾りはないけれど、ゆるやかな線で構成されていて、真ん中が、インフィニティのデザインになっている。