after a dream
私の薬指にはまる指輪で遊びながら、
私の顔の横から、私をからかうように覗き込んできたはる。
「ほんっとに、勝手に勘違いしてごめん」
こんなにも、はるは私のことを好きでいてくれたのに。
大好きで、いてくれるのに。
…どうして、こんなに真っ直ぐ注がれるはるからの気持ちに、今まで気づけなかったんだろう。
ましてや、はると旭日先生の関係を疑って、その不安や恐怖、虚しさ、妬み、愛情を、霞先生で埋めようとしていたなんて。
今になって思えば、バカみたいなことだけれど。
それでも、足を取られて、更に深みにはまって、抜け出せなくなってしまったのは、
…きっと私が、弱すぎたからだよね。
「んっとだよ。けどそのお陰で、深詞に近づけた気がするわ」
ーでも今は、そうじゃない。
溺れていた私を、はるがすくい上げてくれて。
諦めずに向き合ってくれたはるに、勇気をもらった。
そして、真っ直ぐなはるの気持ちに、私は救われたんだ。
はるが変わらず、私の隣にいてくれるだけで。
はるの愛情が、変わらずココにあると思う、ただそれだけで。
私はいくらでも、強くなれるんだと知った。
…だから、今度は私自身が。
はるを想う気持ちで、強く在りたい。
この先何があっても、私が、はるを守れるように。
愛を素直に、伝えていけるように。