after a dream
「…私が、いるよ」
言葉と同時に、なにかを丸ごと飲み込むように、お互いに口付けた。
埋まらないと知りながら、埋まることを期待して、埋めたくて。
狂ったように繰り返すキスは、
いつも、涙の味がする。
それでも、何度も、何度でも。
できることなら、地上に戻ってこれないくらいに、溺れてしまいたい一心で。
「……っ」
決して、名前を呼び合えなくてもいい。
癒えない傷がみえなくなればいい。
誤魔化すことができるなら、それがいいの。
ー… 私達は、同じだから。