あたしだけを愛して



どのくらい泣いたか分からないけど、なんだかすっきりしていた。


時々吹く風が心地よく感じる。


今日はもう帰ろう、と思い
扉に向かって歩き出した時に
どこからか声がした。



「ねえ、何で泣いてんの??」



声がした方を見ると、
きれいな顔をした男の子が
立っていた。



長いまつ毛に切れ長の目

スッと通った鼻筋

明るい髪の毛は無造作に
ワックスでまとめてある



こういう人をイケメンって
言うのかな、なんて考えて
いた。



「あのさ、聞いてる??」


そう言って急に顔を覗き込む
からドキドキした。



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