あたしだけを愛して
「き、聞いてるよ!!」
「あっそ、じゃあ何で泣いてんの??」
「別に、泣いてなんか…」
そう言って顔を反らした。
この人に見つめられていると
なんだか全部見透かされて
いるような気がして嫌だった。
「ってゆーか、そっちこそ何でここにいんのよ」
「俺はただ、寝てただけ。
そしたら誰かさんの泣き声
で目が覚めた。」
こいつ、嫌味言ってんの!?
そう思って、もう1度顔を見た。
「…お前、もしかして…結城亜衣の妹って噂の芽衣??」
え………
…ああ、そっか。
この人も同じなんだ。
「…あんたも、同じなんだね。」
「は??」
さっさと帰ろうと思って
扉に手をかけた時に、
腕を掴まれた。