あたしだけを愛して
「芽衣から、桐谷とは
付き合ってるフリしてる
って、聞いて知ってる。
だけど、暇つぶしで芽衣に
ちょっかいだすのだけは
止めてよね。
自分の周りの清算くらい
ちゃんとしなさいよ??
じゃあ、あたし戻るから」
言うだけ言って、部活に
戻っていく荻原に少し
感謝して下駄箱に行く。
暇つぶしなんかじゃない、
芽衣への気持ちだけは
偽りがないって言いきれる。
靴があることを祈って芽衣の
下駄箱を開けた
のに、そこには上履きしか
なかった。