あたしだけを愛して
〔第5章〕
巡る季節
―――――――――
――――――
あれから恭哉には全く会わない日が続いている。
じめじめした梅雨が終わり、
夏休みも目前になっていた。
まだ朝だというのに、
学校に来るだけでじっとり
した汗が出る。
夏でも毎日朝練がある夏希は
あたしの前の席で下敷きを
仰いでいる。
「あっつ~!!
今日さあ、朝から外周10周も
走らされた
芽衣、癒して~」
「夏希、お疲れさま」
こうやって夏希の愚痴を
聞きながら、下敷きで
仰いであげるのが最近の
日課になってる。