あたしだけを愛して
「なあなあ、さっき女の子から聞いたんだけどさ、この学校の1年にあの結城亜衣の妹がいるらしいぜ。」
「…結城亜衣??
誰だよ、それ。」
拓真は目を見開いていた。
「お前、知らねぇの!?
モデルの結城亜衣だよ!!」
俺は有名人に興味がない。
当然、そんな名前は知らなかった。
「悪いけど、知らねぇ。」
「お前、もっと興味持てよなあ。」
余計なお世話だ。
俺が興味ないと知っていても
お構いなしに、拓真は話し
続ける。
「名前、何て言ったかなあ。
…“まい”じゃなくて、“ゆい”でもなくて
………あっ!!“めい”だ!
結城芽衣!!」