あたしだけを愛して



「なあなあ、さっき女の子から聞いたんだけどさ、この学校の1年にあの結城亜衣の妹がいるらしいぜ。」


「…結城亜衣??


誰だよ、それ。」


拓真は目を見開いていた。

「お前、知らねぇの!?

モデルの結城亜衣だよ!!」



俺は有名人に興味がない。

当然、そんな名前は知らなかった。

「悪いけど、知らねぇ。」


「お前、もっと興味持てよなあ。」


余計なお世話だ。


俺が興味ないと知っていても
お構いなしに、拓真は話し
続ける。


「名前、何て言ったかなあ。

…“まい”じゃなくて、“ゆい”でもなくて



………あっ!!“めい”だ!

結城芽衣!!」



< 17 / 210 >

この作品をシェア

pagetop