あたしだけを愛して
◆◆◆
芽衣と全く会わないまま
夏休みになった
特にやることもなく、
無駄に時間が過ぎていく
テレビをつけても、昼間は
ニュースばかりで
携帯を弄ってたら拓真から
電話がかかってきた
「…」
『もしもし??』
「……」
『おっかしいなあ―…
もしもーし!!』
「…でかい声出すなよ、
うるせぇなあ」
『ひでぇ!!
聞こえてたなら返事くらい
しろよな』
「…用がないなら切るぞ」
『だぁ―!!
待て待てっ、大事な用が
あるから切るなって!!』