あたしだけを愛して



体育館裏に行くと、既に
誰かが立っていた。


「…結城さん!!

来てくれてありがとう。


いきなり呼び出してごめんね。
俺のことわかる??」


見たことがない男の子
だったから、首を横にふる。


「…そっか、

俺、1年2組の 柳原 俊。


…ずっと、結城さんが好き
だったんだ。
俺と付き合ってください」



そう言って、差し出される手。

でも、この手は握れない。


「…ぇっと、気持ちは嬉しいけど、あたしは柳原くんと付き合えないよ。

ごめんなさい」


じゃあ、と言って教室に
戻ろうとしたときに
右腕を引っ張られて、
壁に押し付けられた。



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