あたしだけを愛して



結局、半ば強引に桐谷恭哉と
一緒に帰ることになった。



下駄箱でローファーに
履き替えた時に、
桐谷恭哉が掌を上にして
あたしに向けていた。


「手」


「手って…??」


「繋いでって、意味なんだけど」


「…えっ!?////」


「一応、付き合ってるんだから
手を繋げるのは彼氏の特権だろ??」



言い返しても無駄だから
しぶしぶ桐谷恭哉の手を
握ってみた。


うわぁ…
細いのに、男の子ってすごく
手が大きいんだ。



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