吐息が愛を教えてくれました
幸せは自分で決める


千早は、どうして私が今の今まで、そんな長い間悩み続けられるのか、それがわかんねー、と呆れ声で呟き、温かいうちにチャーハン食べようと私をテーブルに着かせた。

目の前に並ぶチャーハンは本当においしそうな湯気をあげていて、ここ二日間ろくに食べていなかったことを思い出してお腹が鳴った。

千早はその音にくすくす笑いながら、恥ずかしくて俯いている私の手にスプーンを持たせてくれた。

柄の部分がピンクと白のストライプ模様になっている大きめのスプーン。

この部屋に越してきてから千早とお揃いで揃えたもののひとつ。

千早はブルーと白のストライプだ。

手に馴染んでいるスプーンをぎゅっと握りしめて、照れくささを隠すようにチャーハンを口にした。

「あ、熱い……。でも、この焼き豚おいしい。極上だね。味が濃いけど辛くない」

口の中に広がるおいしさに、熱さを我慢しながら千早にそう言った。

千早も私もお料理が大好きで、二人でいる時はいつも手料理を味わいながら楽しい時間を過ごしている。

私の部屋だけれど、千早にとっても勝手知ったる我が家のようで、お気に入りの食器や調理器具を持ち込んでにやにや笑っていることもある。

そう、長い間築いてきた時間の痕跡は、そんなところからも感じられる。




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